ブルーノ・シュルツ

右も左も分からぬままにはてなブログを始めてみて、とりあえず読書のグループなるものに参加してみたけど、全然読書に関係ない記事がなんか流されてて申し訳ないなって感じだったし、ちょっと取り急ぎ、思い出話というかまあ昔読んだ本の感想でも書いて、読書カテゴリを拵えて、無差別に書いた記事すべてがグループの記事の欄に流れて行かないようにしようという所存。なんで思い出話かというと、まだまだこれから数週間本が読めなさそうなので。

 

ここ数年で読んだ本のうち、とにかく一番「濃かったなあ」と思ったのが、20世紀ポーランドの作家ブルーノ・シュルツの小説だった。僕はもう、シュルツにはまりきってしまって、なんと一ヶ月もしないうちにシュルツの書いた作品を全部読み切ってしまった。……まあ、それもそのはず、彼は寡作で、しかも中短編しか書かないものだから、全作品が文庫本一冊に収まりきってしまう。

 

しかしまあ、作品が少ない分そこに創作エネルギーが凝縮されているというか、とにかくすごい。たしかカフカの影響を受けているとか書かれてたけれど、なんというか文章の迫力がカフカと全然違うなという感じだった。蠍かなんかに変身した父親が、母親に捕まえられて最後はゼリー詰めみたいなふうにされる、という感じの、なんとも不条理極まるストーリーがあったけれど、そういうトンデモストーリーが綿密な筆致で細部まで描出されながら眼前に迫ってくる。

 

と、まあ、濃かったといいつつかなりうろ覚えで書いてるんですがね。

 

とにかく、シュルツ、嘘偽りをせず多読アピールできてしまう作家なのでおすすめっす。

『シュルツ全小説(平凡社ライブラリー)』